見えた! 日経平均株価2万3000円
では、日経平均はどこまで上がるのか。上半期に限って聞いてみると、フィスコリサーチアナリストの飯村真由氏からは「1万6500~2万1500円」という答えが返ってきた。
「ここ数年日本では、年末に株価が上がり、年初に下がる傾向が続いています。17年はその流れを払拭できれば、15年の高値2万952円の突破が期待できます。この調子なら上半期に2万1000円台のせも。1年間というスパンなら、もう少し上がる可能性もあると思います」(飯村氏)
横山氏は幅が広く、「1万6000~2万3000円」と予測する。
「次期大統領がヒラリーなら、良くも悪くも現状維持で展開が読みやすかったのですが、実績ゼロのトランプ氏は動きが読めない。実際、トランプ氏が勝つとは誰も思っていませんでしたし、その後ここまで株価が上がることを予測していませんでした。オバマケア廃止、減税政策、規制緩和などの経済成長を刺激する政策が実行された『最高のケース』と、プラスの政策の実現化に手間取り、保護貿易など成長の足を引っ張りかねない政策ばかりが実行されてしまった『最低のケース』を想定して幅を広くとっています」(横山氏)
対する永濱氏の回答は、冒頭で「楽観視できない」と発言しただけあり、「1万7000~2万円台」と若干シビアだ。
「トランプ政権への期待先行で日経平均が上がりすぎている感があるので、2万円以上はあっても一時的。そもそも、トランプ氏はブルーカラーの支持を受けて当選しましたが、金利上昇ドル高の現状は彼らにとって辛いだけ。それを容認し続けるかは疑問です。また、17年はドイツ、フランス、オランダ、イタリアとヨーロッパの国々で選挙が控えています。オランダとフランスは反EU派が議席数を伸ばす可能性があり、ドイツも与党が議席を減らす見込みです。EU崩壊の危機に一歩近づくと考えれば、トランプ政権の動向以外にも市場にダメージを与える要因はあります」(永濱氏)
「成熟」を「安定」と言い換えてもいいのですが、スマホや格安SIMの急速な普及を境に、市場に大きな変革を起こすような新しい商品が生まれていません。景気サイクルも終わりに近づき、どことなく停滞感が漂うのが2017年の日本です。今求められているのは、新しいテクノロジーを用いた、市場の起爆剤になるような商品。そういった意味では、期待を込めてハイテク株にも注目です。(ファイナンシャル・プランナー 横山利香氏)