【6】奨学金利用 vs 全額親負担

▼進学ローンと考えればとてもお得な金融商品

日本で奨学金といえば日本学生支援機構の借りるタイプの奨学金です。これは学生自身の成績によって、無利子の「第一種」と利子がつく「第二種」に分かれます。利子の上限は年率3%で、昨年度末に借り終わった学生は利率固定方式0.16%、利率見直し方式0.10%と、ごく低い水準でした。奨学金を進学ローンと考えれば、有利な金融商品といえるかもしれません。ただ、奨学金という名の借金を背負うのは子供自身。借りるにしても、元本を大きくしないことを心がけるべきです。

奨学金を利用しないで大学へ行かせるには、子供が生まれた時点でお金を貯め始めることです。そのための方法の一つが学資保険。生まれたらなるべく早く加入し、18歳になるまで積み立てます。元本割れしない商品を選ぶことが大切で、満期時には普通預金の金利分よりも多く受け取れる商品があります。

もっとも、普通預金の金利は市中金利が上がれば自動的に上がりますが、学資保険は最初に契約した金利に固定されます。ですから積み立てている最中にインフレになったり、金利が上がったりした場合には不利になりますが、日本ではもう20年近くもデフレが続いています。そのためもあって、最近子供が大学に進学した人たちに話を聞くと、みな「学資保険に入っていてよかった」と口をそろえています。

菅原直子
ファイナンシャル・プランナー、教育資金コンサルタント。外資系生命保険会社勤務などを経て、1997年より現職。
 
(久保田正志=構成 大杉和広=撮影)
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