最後に、ソフトバンクアカデミアで孫社長が、マネジメントゲームMGについて、熱く語ったときの言葉を紹介しよう。「あと十数年で後継者にバトンを渡す」と公言しているからこそのメッセージだ。

「仮に、僕の直接の後継者になれなかったとしても、グループ会社はこれから5000社になるぞ。どれかの社長になれるぞ。社長になれなかったとしても、おまえらみんな、役員くらいにはなれるぞ。外れても役員! 悪くないぞ。少なくともそういうふうに自分を鍛えてほしい。それに値する人間になってほしい」

孫語録1●「マネジメントゲームMGは、人・物・金をどう配分するかのシミュレーション。悩んで、考え抜いて、そこでいろんな知恵がわいてくる」
孫語録2●「赤字を出せ! 倒産させろ! それで学んでくれ! いくら倒産させても、実害ゼロだ!」
孫語録3●「ゲームなら1日に10期分、10年分の経営だって体感できる。僕の後継者になる以上は、100期分くらいじゃ足らんよ!」

【POINT1】1人ずつ、中央の意思決定カードを引く
意思決定カード(DECISI ON MAKING CARD)には、材料購入、セールス採用、ワーカー採用、製品販売などの項目がある。参加者は、市場動向、他社の状況、資金繰りを考えながら速やかに意思決定をする。
全国6カ所に分かれたマーケットと、自分の会社の状況を見ながら、「材料を購入する」「工場で生産する」「製品を販売する」などの中から、1つ選び、意思決定をする。保険、研究開発、広告といった投資についても、効果的なタイミングで意思決定をしなければならない。

【POINT2】ときにはリスクカードを引くことも
思いがけない事態に遭遇しながらゲームが展開することで、参加者は経営の難しさを実感する。

【POINT3】販売は自由競争
販売は入札方式で行い、競争に勝った会社の売り上げになる。原価計算や、他社の価格設定の情報などを素早く判断して値付けをすることが求められる。

【POINT4】戦略会計・財務会計の力を鍛えられる
電卓片手に逐一、現金残高を記録、期末には貸借対照表や損益計算書を作成。自社の経営状況を数字で把握し、次期以降の戦略を練る。

(遠藤素子=撮影)
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