実は、こうした変化のプロセスにおいて「脳型コンピュータ」が生まれると孫は考えている。これは、これまでのコンピュータが、人間がプログラムをして記憶や演算をするのに対し、みずから学習するコンピュータだ。
ソフトバンクの理念は「情報革命で人々を幸せにする」である。ペッパーも我々の生活シーンに入り、癒やしや教育、介護といった分野で活躍すると思う。
そして、孫のビジョンを聴いていくうちに、社員自身も「情報革命という新しい時代が始まるのは必然、そのなかで自分が果たす役割や使命はなんだろう。先駆けとしてやっていきたい」と感じる。孫の言葉には、そういう気持ちを人にかきたてさせる働きもあるのだ。
ジャパン・フラッグシップ・プロジェクト代表取締役社長兼CEO。1995年、東京大学卒業後、三菱地所勤務を経て、98年ソフトバンク入社。著書に『孫正義奇跡のプレゼン』『孫正義「規格外」の仕事術』ほか多数。