自分の老後は娘に絶対迷惑をかけられない

娘は中学受験をしませんが、中学に入れば、ダンスのほかに塾に通わせることになるかと思います。そして、高校に入り、大学か短大、専門学校のいずれかに進んでほしい、と願っています。高校は公立に進めば、それほど学費はかかりませんが、その先の進学となれば、まとまったお金が必要なのはいうまでもありません。そのため、私と同じ年頃の子どもを持つ親なら、大半の人がそのためのお金の準備を、すでに始めているかと思います。

ところが、わが家の場合、妻の闘病のお金が何よりも優先します。そのため、恥ずかしながら日々の生活ですら、常にお金に困っている状態です。つまり、娘が進学するためのお金の準備を始められないでいるのです。これでは「親として失格」といわれても仕方がありません。妻は近い将来、自分が亡くなることで娘の進学はなんとかなる、と考えていますが、あまりにも悲しい考え方です。私は、妻にはずっと生きていてほしい、と思ってサポートしていますし、娘をきちんと進学させたい、とも思っています。

ただ、このままでは、娘の進学のためのお金を貯めることはできません。中学になって塾に通わせるのも、厳しい状態です。がむしゃらになって仕事をしていますが、これが現実なのです。

ただ、あまりにもお金がないと、自分の老後のお金のことは、考えなくなります。老人になって働く気力、体力、もしくは仕事がなくなったとき、きれいに死ねたらいいな、とぼんやりとした不安を覚えながら、願うのがやっとです。「きれいに死ぬ」とは「即死」を意味します。これなら医療費や介護費の必要はなく、葬式代だけですむからです。

これは決して自暴自棄になっているわけではありません。老後、絶対に娘に迷惑をかけたくない、という思いが強いため、自分の老後について願うのは、いまはこのことしかないのです。悠々自適、ピンピンコロリなんて夢のまた夢です。それでも親としてお金の問題をなんとかし、娘が社会人になるまで、必死になって働いていきたい、と思っています。親として最低の役目を果たしたい、という思いが強すぎるため、自分の将来がまったく見えないのです。

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