女子大生は専業主婦になりたくてもなれない?
大学で教鞭を取っている方に伺うと、最近、「将来は、母と同じように専業主婦になりたい」と答える女子学生が多いという(図2参照)。
しかし残念ながら、そんな若者を取り巻く社会の現状(財政事情や社会制度の変更など)は厳しく、これからの女性は、独身でも既婚でも、子どもがいてもいなくても「働く」「働かない」の二者択一ではなく、「働く」ことを前提に、自分が身を置く環境に応じて働き方を工夫する時代になるのではないだろうか。
こんなふうに書くと、「黒田尚子氏は専業主婦というものを世の中からなくせと言っています」なんて、ブログなどで書く方がいるので誤解なきよう。
そんなことはひとことも言っていない。
私の周囲には専業主婦の友人・知人がたくさんいるし、それを非難するような言動は一切とったことはない。家事や育児、介護などの個々の事情によって働きたくても働けない人もいるのは確かだから。
ただ、最初から「働かない」という選択肢を選んでしまうことはもったいないし、人生プラン上のリスクが高すぎると言っているだけである。
私はライフプランセミナーなどで、4つの働き方についてお伝えしている。
●家計を維持するための「Rice Work(ライスワーク)」
●好きなことを仕事にする「Like Work(ライクワーク)」
●一生を通じて行う「Life Work(ライフワーク)」
●人々に光を照らすような正しい「Right/Light Work(ライトワーク)」
の4つである。
何のために働くかは人それぞれだと思うが、人が働くのは、「生活の糧」を得るためだけではない。そこにやりがいや生きがいといった「人生の糧」を求めることができる。
社会制度の改正によって、非正規雇用であるパート主婦の働き方を変えざるをえないのであれば、これを機に働くということの本質的な意味を再考してみてはいかがだろうか?