ブロック・チェーン技術とは?

ブロック・チェーンは仮想(暗号化)通貨bitcoinの根幹技術であり、bitcoinと起源を共有する。発端は、未だに正体不明であるSatoshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)なる人物の論文 “Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System”(直訳:ビットコイン ピア・ツー・ピアの電子キャッシュシステム, 2008年)、そして翌年配信されたオープン・ソース・ソフトウェアに遡る。所有bitcoinだけでも数百億円相当になる人物が、本名かどうかも含め正体が不明というのは近代稀なる謎だが、彼がビットコインプロトコルとその参照ソフトウェアBitcoin-Qtの起源とされている。

因みにbitcoinの時価総額は約7兆円弱だが、ブロック・チェーン系の技術を使い、100億円以上の規模のある仮想通貨としてはEthereumやLitecoin等もあり、統合して約7兆円強の市場規模になる。

2014年にbitcoinが暴落して急速に(別の利用法として)ブロック・チェーン技術への関心が世の中で高まり、クラウドやオープンソースITの流れとも合致、前述のとおり金融サービスへの影響は計り知れないものとなっている。

ブロック・チェーンとは、ネットワーク上に分散・公開されたデータベース管理の一種であり、より正確には取引の元帳(publicly distributed ledger)を指す。元帳が全ての取引(価値の交換)記録と共にネットワーク上に分散・公開されているため、過ちが起きることも、起こすことも数学的に不可能なものだ。

近年欧米で「ブロック・チェーン」と云う場合、分散・公開されている元帳の構造や承認プロセス等で分類されるバージョンを意味する事が多い。

詳しい説明は省くが、データの分散・公開についてパブリック型(管理者無し)と非パブリック型(コンソーシアムや企業が管理)、また、元帳書き換え時の(ほかの分散先との)同意と確認プロセス、等の組み合わせで異なる幾つかのブロック・チェーンができる。つまり、「価値」の交換・取引への応用が無限になるのだ。