長期的、多面的、根本的に考えてみる
では、どうやって、「思考の三原則」で考えて判断するのか?
小林さんすすめのやり方がある。
「自己流ですが、問題を『マインドマップ』形式で視覚的に整理していくと、考えの筋道が明確になってきます」
以前、歯科医院の10年後を考えて、テナントのままがいいか、自社ビルを建てたほうがいいか、判断に悩んだときに、「思考の三原則」がとても役に立った、と小林さんは言います(図参照)。
「長期的」に考えると、自社ビルのほうが資金の節約になる。「多面的」に考えると、対外的な信用力が各方面で増す。「根本的」考えると、スタッフの雇用維持、後継者育成などの効果が期待できる――こうして将来像が明確になり、自社ビル建設を決断したとのことです。
プライベートでうまくいった事例としては、息子さんとの進路相談があります。高校生の長男、次男。彼らが将来についてどう考えているかを、「思考の三原則」のマインドマップに書き込んでもらって話をしたところ、ふだんは口に出さない心の内にあるものをスムーズに聞き出すことができたのです。息子さんたちは、文系や理系か、というような目の前に選択肢と突きつけられるのとは違うスタンスで、進路を考えるようになったそうです。
ここで紹介した安岡正篤さんの教えを発展させた小林さん流「思考の三原則」の使い方は、『「運命」はひらける!』(プレジデント社刊)で、くわしく解説しています。