関連会社に稼がせる投資上手は総合商社!?
連結損益計算書に「持分法投資損益」として計上されるだけに、その推移からは各社の投資の巧拙がはっきりするといっていいだろう。
『図解!業界地図 2016年版』では、その持分法投資損益にも注目して、特集に取り上げている。
たとえば、ソフトバンクグループである。同社の持分法投資損益は13年度、14年度とも700億円台の黒字だが、その大半は出資比率が約35%のアリババ・グループ(中)によってもたらされていることがわかるはずだ。今後はガンホー・オンライン・エンターテイメントも加わることもあり、ソフトバンクグループの株式に興味があるなら、持分法投資損益の増減も投資の判断材料のひとつに加えていいはずだ。ゲーム会社のガンホー・オンライン・エンターテイメントは、13年4月にソフトバンクグループの関連会社から子会社になったが、15年6月には再び関連会社に戻っている。
持分法投損益での稼ぎが多い常連は、三菱商事や三井物産など総合商社である。ただし、14年度は、トヨタ自動車を筆頭に、日産自動車やホンダ、新日鉄住金などが、持分法投資損益の黒字を拡大。対照的に、持分法投資損益が赤字の企業も少なからず存在するのも事実である。
イオンやセブン&アイ・ホールディングス(HD)、ソフトバンクグループのライバルであるNTTやKDDI、三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手金融、キヤノン、パナソニック、ソニー、それに東京電力などはどんな状況か、チェックしておいて損はない!