グローバル人材の育成が課題
海外子会社の重要性が増すにつれて、海外と国内の連携が課題になってきました。海外子会社のガバナンスに関しては、現地化する部分と、日本から統制する部分との最適な組み合わせを模索中です。また、従業員の半数が海外の子会社に所属するという現状において、グローバル人材の育成と適切な配置が大きな経営課題となっています。
セーレンでは2年前から、社内で国内と海外の意識をなくすため、国内出張と海外出張の扱いを同じにしました。これまで海外出張には役員の承認が必要でしたが、それを不要にしたのです。そうすることで海外との距離が近づき、社員の視野が広がり、モチベーションアップにもつながっています。
また、昨年からは、新入社員教育に海外研修を取り入れ、全社員をグローバル人材として養成しようとするプロジェクトが動き出しています。今後は、こうした長期的な人材育成施策を踏まえつつ、事業部門や部局の壁を超えた人事異動を行うことで、グローバル人材のすそ野を広げていきたいと考えています。
セーレン会長兼最高経営責任者
1940年、福井県生まれ。62年明治大学経営学部卒、同年福井精練加工(現セーレン)入社。87年社長就任。2003年より最高執行責任者(COO)兼務。05年より最高経営責任者(CEO)兼務。05年に買収したカネボウの繊維部門をわずか2年で黒字化させる。14年より現職。セーレン http://www.seiren.com/