前・神戸大学大学院教授 加護野忠男氏が解説

松下幸之助は「1割の原価削減は困難だが、3割の削減は容易い」という言葉を残している。

枠組みを変えない改善には限界がある。極端に高い目標を設定し、それを達成するためには、枠組みそのものを根底から変えるような破壊的なイノベーションが求められる。そうした事実を直観的に言い表した言葉だ。トップの経営判断には、「大ボラ」ともいうべき飛躍が求められる。

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トップ級には直観的判断が 求められる

関西学院大学経営戦略研究科の小高久仁子准教授の実証分析によれば、あるグローバル企業では、部課長級までの意思決定はロジックで分析的に決めるものの、それ以上のトップ級の意思決定は直観的に決められていた。しかもトップ級に対しては、「ロジックを捨てよ」という指導さえ行われているという。

エビデンス(証拠)の揃っている意思決定は誰にでもできる。根拠のないところでこそ、経営判断が求められるのである。「大ボラ」も一つの判断だろう。

●正解【B】――自分自身に対する追い込みが足りないと、普通の会社、普通の人生で終わる

※本記事は2010年9月29日に開催された「ソフトバンクアカデミア」での孫正義氏の特別講演をもとに構成されております。設問文等で一部補筆・改変したものがあります。

(大塚常好、小澤啓司、原 英次郎、宮内 健、村上 敬=構成)
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