さらに――。
「ブラジルの店員は時間にルーズ。サッカーの試合があったら来ない。病院で診断書をもらえば給料が保障されるため、風邪や腹痛を理由にすぐ休む」
ブラジルでは外食産業で一定以上の質の人間を集めるのは日本以上に難しい。
「大卒は絶対に来ない。それどころか、言葉は話せるけど文字が書けないという人もいる」
売り上げは悪くない。現在、ゼンショーはブラジルで9店舗の「すき家」を展開し、そのなかで繁盛店の売り上げは、日本の中でもトップクラスに入る。
日々、従業員、そして客と接していて、ブラジルの現実を痛切に感じることがあるという。
「貧乏な人は貧乏なまま、ずっと階級が固定している。その原因の一つは教育。まだ出来ていないんですけれど、いずれ従業員を手厚い待遇にして、彼らに色々な基本的なことを教えたい」
最後に彼は「やっぱりぼくは教師になりたかったもので」と照れ笑いした。
・人材確保が日本以上に難しい
・牛肉、コメなど食材は現地で調達
・2010年から進出。現在9店舗