要注意の契約差し替えの提示
次に、仲介業者が契約に伴う手数料を多く取るために「建築確認が取れた時点でこの物件は『建売住宅』になるので、『土地付き建物売買契約』に差し替えます」という「特約条項」を設けるケースです。
土地売買契約は解約され、手数料は返還されますが、土地に建物の価格が上乗せされた額に対しての仲介手数料があらたに要求されることになります。差し替えに法的規制はありませんが、このケースは行政指導の結果、差額は返金されました。なお、建築請負契約には仲介手数料は発生しません。
ただ、「悪徳業者」は建築条件付き土地の取引に限らず「悪徳」なのであって、建築条件付き土地だからという独自のリスクはないというのが私の考えです。
「希望通りにしたら値段が高くなった」という話はよく耳にします。建築条件付き土地には「参考プラン」といったモデルプランを売り主が用意している場合がほとんどです。
参考ですので、なんら縛られるものではありませんが、1人の施主のために仕入れをする特殊な部材の費用や、新たに図面を作成する手間などを考えれば、費用がかかることは覚悟しなければなりません。
見積もりが高くなっても、業者が指定されている場合はそこに頼むしかないのが建築条件付き土地です。折り合いがつかなければ契約を解約するしかありません。
「フリープラン」は魅力的に聞こえますが、プロが考えたモデルプランは実はうまくできています。モデルプランをベースに希望をプラスするのが現実的かもしれません。
年間200以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通する。多くの著書のほかテレビ・ラジオでも活躍。