就任して一年、思うこと

──プロジェクトは今後も続いていくのか。

【尾賀】農業は時間がかかるものだと、改めて思う。麦やホップの苗を植えるのに1年、最初の収穫に1年、原材料として使えるものとして育てるのに1年、3年かけてようやくここまで来た。この取り組みも、続けていくことで幹を太くしていきたいと思っている。

当初は時間やコストがかかるとの指摘も確かにあったが、今は全社員の取り組みとして理解してもらったのではないか。

だたし、サッポロ社内だけのニッチな取り組みになってはいけない。最大限にケアすべきなのは、この商品が消費者の評価を得ていくことだ。

──この取り組みがビール業界に与えるインパクトについてはどう思うか。

【尾賀】5万ケースのみの販売なので、他社への影響についてはあまり考えていない。しかし、縮小しているといわれているビール類市場を再活性化する話題作りになればいい。

──社長に就任して1年。今思うことは。

【尾賀】あっという間の1年で、精神的にはより孤独になった。しかし、社長としてはこれが普通なんだろうなと思うし、孤独を楽しめるようにならないといけないなとも思っている。

おかげさまで決算上は非常にいい形で1年目を終えることができた。一方でモノづくりについては、まだ始まったばかり。オリジナリティのある、サッポロらしい商品をこれからもどんどん出していきたい。