週8000円の収入で赤字が解消できる
西谷家の支出項目をチェックすると、大幅なカットが可能なのは生命保険。まだ大学生の子どもがいても、貯蓄がこれだけあればもう大きな死亡保障は必要ないからだ。このほか、食費などの支出を細かく見直して少しずつカット。ただ、こうした見直しだけでは月2万円程度の削減がやっと。毎月の赤字を解消するには手が届かない。
そこで、教育費がかかるうちだけでも妻が働きに出ることを検討したい。右のプランのように妻が月3万円の収入を得れば、支出削減と合わせて収支が約5万円改善し、貯金の取り崩しをほぼなくすことができる。
ずっと専業主婦だった妻が仕事を見つけるのは無理、と思うかもしれない。だが、毎月3万円の収入は、毎週8000円を得れば達成できる。友人のツテをたどるなどの工夫をすれば、決して不可能ではないだろう。
住宅ローンについては繰り上げ返済を実行したい。貯蓄のうち300万円で繰り上げ返済を行い、残債を200万円に減らして65歳になる前に住宅ローンが完済できるようにする。毎月返済額はこれまでと変わらないが、年金生活に入った後の生活はこれでずっと楽になる。
ローンの残債をすべて返済せずに300万円だけにしたのは、長女がまだ未成年で今後の不確定要素が多いからだ。教育費が見込み通り終わるとは限らないし、想定外のことが起きる可能性もある。ただし、大学院への進学については本人が奨学金を利用すると割り切ったほうがいい。西谷家では長男も大学卒業後、働きながら大学院で学んでいる。身近で見ている長女なら、きっと納得するはずだ。
●安心老後への道
1.長女の大学卒業まで、妻も収入を得ることを検討
2.住宅ローンが65歳で終わるよう、300万円を繰り上げ返済
3.生命保険を見直し、保険料を大幅カット