そのような動きは私の周りでも起きています。たとえば、社会起業家やベンチャーなど、小さいながらも自分でアイデアを出し、それを形にして、社会を変えていこうとする人を、特に若い世代を中心に目にするようになりました。自分で新しい事業を起こさなくても、日本を変えるためにできることはほかにもあります。
ひとつは選挙へ行くことです。いまは若年層の投票率が低いために、政策にはどうしても高齢者層の意思が強く反映されます。誰に投票しようか悩んだら、若い人か女性に投票してもいい。
女性がもっと活躍できる社会になることも必要です。国会議員や企業経営幹部などの男女比率を調べた世界経済フォーラムの調査でも、日本は世界で98位(2011年)です。しかし逆にいえば、日本には女性が活躍できる潜在的な可能性がまだまだあると考えることもできます。
家庭をもつ人であれば家事を手伝うとか、自分にできる小さなことはある。日本というマクロや平均で語るのでなく、ひとりひとりの個人がミクロのレベルで行動することです。
岩瀬大輔
1976年生まれ。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」選出。