※本稿は、佐藤健陽・加藤隆行『緊張やわらぎメソッド 「失敗したらどうしよう…」が「まぁなんとかなる!」に変わる80の方法』(小学館クリエイティブ)の一部を再編集したものです。
上手く話そうとすればするほど空回りしてしまう
うまく話すな! 出てくる言葉を声に出そう
頭が真っ白になってしまったとき、上手に話そうとすればするほど空回りしてしまいがちです。お笑い芸人さんならまだしも、凡人である我々は自分にそこまで期待してはいけません。「どうしよう……」と悩むよりも、等身大の自分のままで居続けることの方がはるかに大切です。なぜなら人は変えられない自分を変えようとすること自体が苦しみの元になるからです。まずうまく話そうとしてはいけません。そして、途切れてもいいのでそのとき出てくる言葉を声に出してみましょう。相手に共感することから始めてもいいかもしれませんね。少しでも言葉を発することができれば、人はやがて落ち着きを取り戻していきます。
両側性タッピング
タッピングとは体を指先などで軽く叩くことで身体感覚に意識を分散させ、ネガティブな感情や感覚、思考を軽減する療法。緊張時に偏った自律神経バランスを整えられます。
方法
1 座っている状態のまま、机の下で両手を両膝(両もも)の上に置く
2 そのまま膝(もも)を指先で、左右交互にトントンと軽く叩く
3 ゆっくりしたり、少し速めてみたり、自分が心地良いスピードを探して行う
成果報告の原稿を一言一句暗記したのに、結局声が震えて失敗した
要点だけをメモして、相手に理解してもらうことを心がけよう
結論としては、「一言一句暗記したからこそ失敗した」といえるでしょう。その背景には、止むことのない不安と恐怖が原動力としてあります。それに突き動かされて、どれだけ準備して練習しても、不安と恐怖はなくなりません。だから何とかしてそれを鎮めようと、完璧な準備をしてしまうのです。すると次第に、不安と恐怖の僕となっていき、日常生活でも振り回されるようになり、目の前の大切なことを見失います。準備を目的にするのではなく、目的遂行に集中する必要があります。わかりやすく伝えるために要点や起承転結のポイントをメモしておく。5W1Hや映像をイメージして話す。意識の向けどころを変えるのです。
「役立つ」という軸で自分の価値をつくる
他者への貢献を目的とする
アドラー心理学では、「誰かの役に立てていると思えたときにだけ、自らの価値を実感することができる」としています。成果報告は必ず周りへの貢献となります。どうしたら参加者のために役に立つ報告になるかという視点で内容を準備してみましょう。「間違えちゃダメだ」、「周りからどう思われるだろう」と保身的に考えているときよりも、自然に伝えたいことが出てくるはずです。