
「大阪・関西万博」英国代表、前在大阪英国総領事。イギリス北部のマンチェスター出身。外国語を学ぶことが好きで大学ではドイツ語とフランス語を学ぶ。学生時代の留学経験から外交官の仕事に興味を持ち、外務省に入省。2003年から2015年まで、夫のトマス・カーターさんとジョブシェアで公使や大使の仕事を務め、世界初の「ジョブシェア大使」として知られる。日本語も堪能。
長期の育児休暇取得もキャリアが傷つかない理由
(前編よりつづく)
――夫のトマス・カーターさんと「ジョブシェア(一つのポストを複数人で担う働き方)」を始める前にデービッドソンさんは4年間育児休暇を取っていたというお話でしたが、キャリアが中断されてしまうという不安はありませんでしたか?
不安はありませんでした。ちょっと立ち止まったくらいのことで、元に戻れると思っていましたから。
当時、イギリスでは1997年に発足したブレア政権のもとでワーク・ライフ・バランスを重視する政策が進められ、外務省には女性がスムーズに職場復帰できる制度がありました。例えばパートタイムなどフレキシブルな働き方を認める制度やバディ(相棒)制度です。
バディは、休んでいた間のギャップを埋めてくれる存在です。例えば3年も経つと仕事のプロセスや制度が変わっていたり、ITの導入が進んでいたりします。バディは(ジョブシェアと違って)自分と同じ仕事をしている人とは限らないのですが、そういった変わった点について説明をしてくれるんです。
――カーターさんとは職場結婚でしたね。日本では職場結婚をすると、夫婦は部署異動して分けられるようなことがありますが、イギリスではどうでしょうか。
イギリスで職場結婚はとても多いですが、夫婦だからといって部署を分けるということはありません。皆、プロフェッショナルですから、公私混同するようなことはないですね。