誤差で早まるユリウス暦の「春分」「秋分」

ここで1つ疑問が湧いてきます。0.24219日というのは、0.25(4分の1)日より若干短いですから、4年に1度うるう年を繰り返していたら、いずれ「春分の日」は3月18日や17日になり、「秋分の日」は9月21日や9月20日になってしまいます。困りますよね。

そう、実際、困ったのです。16世紀の先人たちも。そこで、暦の歴史を振り返ってみることにします。

古代エジプトの暦にはうるう年はなく、1暦年は常に365日でした。当時既に1年はおよそ365.25日という観測値は得られていたそうですが、暦に反映されることはなかったそうです。ですから、4年に1日程度の割合で暦と季節がずれていくことになります。しかし、農民は暦ではなく恒星シリウスの動きを頼りに農作業のスケジュールを決めていたため、大きな問題には至らなかったようです。

紀元前46年、古代ローマで採用されたユリウス暦において、4年に1度うるう年を設けること、具体的には2月の日数を1日増やして29日とすることが定められました。人類の暦は、約2,000年前に大きな進歩を遂げたのです。(ちなみに、なぜ2月かというと、古ローマ暦ではMartius(3月)が年初でFebruarius(2月)が年末だったからです。)

その後、ユリウス歴は1,000年以上にわたって使われ続けたのですが、前述の通り、より正確には365.24219日は365.25日より若干短いため、128年に1日程度の割合で暦と季節がずれていきます。ですから、時代が進むにつれて次第に不具合が生じてきました。16世紀には天文学上の春分が暦の上では3月11日にまで早まってきてしまい、問題視されるようになったのです。