体調不良ではないけれど、毎日なんとなく体が重くてだるい。そんな症状を治すにはどうすればいいのか。理学療法士の大橋しんさんは「『自然体』を取り戻すことが重要だ。心身の不調は、緊張が原因であることが多い。緊張を解く暗示をかけることで、多くの患者さんが次々と回復していった」という――。

※本稿は、大橋しん、赤松かおり『すごい自然体に読むだけでなれる4コママンガ』(飛鳥新社)の一部を加筆、再編集したものです。

肩が硬い女性の背面図
写真=iStock.com/indigo making studio
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現代人の9割は心身に緊張を抱えている

体調不良ではないけれど、毎日なんとなく体が重くてだるい。心がもやもやしていて気分がずっと晴れない――。

そんな経験はありませんか。

こうした心身の不調は、現代人が仕事や人間関係に起因する「緊張」を極度に抱えていて、「自然体」で生活できていないことが原因であることが多いのです。

かつて「難治性患者専門の特命理学療法士」として整形外科クリニックに勤めていたとき、私は医者がお手上げだった患者さんの心身の不調を次々と回復させていきました。

「いったいあいつは何をしているんだ?」と訝しがる声もありましたが、やっていることは本当に簡単なことでした。

それは、「緊張をとる」ということ。

今まで数千人の体を見てきましたが、9割の人は心身に緊張を抱えていました。なので、これを読んでいるあなたもきっと、社会生活の中で何らかの緊張を抱えていると思います。

私たちは、生まれたときから緊張を抱えているわけではありません。

しかし社会に出ると、徐々に「緊張」や「緊張する習慣」を身に着けてしまい、自然体からは遠のくばかり。

緊張しているとき、私たちはどこか「ぎこちなく」なってしまいます。体は縮まってかたくなり、頭の中も不安や後悔などの思考がぐるぐると回って、いっぱいいっぱいになってしまいがちでしょう。