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「収入保障保険」の名前を初めて聞く人も多いだろう。派手な宣伝を見かけることもなく、商品名からは内容もあまりイメージできない。だが、最近の保険見直しでは、主役の1つになっているのがこの保険だ。
収入保障保険は死亡保険の一種で、保険の対象者が死亡したり高度障害になったときに保険金が受け取れる。最大の特徴は、保険金を年金形式で受け取るところだ。給料収入に代わって遺族の生活費を保障する、という意味で「収入保障保険」の名がついている。
具体的には、支払われた保険金をいったん保険会社が預かり、遺族はこれを分割払いで受け取るしくみ。受け取り方は毎月、半年ごと、1年ごとなどから選ぶことができ、一時金で受け取ることもできる。終身保険のような貯蓄機能はほとんどない。このため、保険料が割安なのも大きなメリットになっている。
収入保障保険には、「定期タイプ」と「逓減タイプ」の2種類がある。
定期タイプは、いつ死亡しても年金を受け取る期間が10年間、20年間などと決まっているもの。たとえば年金年額180万円、期間10年なら、契約期間中にいつ亡くなっても180万円×10年間で1800万円を受け取れる。このタイプはおもに大手生保会社が扱っている。
一方の逓減タイプは、契約満了までの残りの期間だけ年金を受け取るもの。たとえば年金年額180万円、30歳加入で60歳満了の契約では、受け取る保険金は契約後すぐに死亡すると180万円×30年間で計5400万円、契約から10年後に死亡すると180万円×20年間で計3600万円、というように、時が経つほど減っていくしくみ。このため、保険料は定期タイプに比べて割安になる。こちらのタイプを扱うのは、カタカナ系生保会社や損保系生保会社が主流だ。