仕事の視野を広げるには読書が一番だ。書籍のハイライトを3000字で紹介するサービス「SERENDIP」から、プレジデントオンライン向けの特選記事を紹介しよう。今回取り上げるのは『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道』(自由国民社)――。
おいしい抹茶
写真=iStock.com/Louno_M
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各国首相やVIPを相手にお茶会を実施

日本の代表的な伝統文化として、国際的にも知られているのが茶道である。元々薬として渡来したお茶は、戦国時代に千利休によって精神的な修養を重んじる茶道として大成。武将や天下人に好まれた。

長い歴史を有する独自の芸道であるにも関わらず、現代ではその奥深さを説明できる日本人は少ないのではないか。

本書では、茶道の歴史を紐解きながら、その精神性や込められた特有の美意識、道具や作法にまつわる基本的な知識などを案内。

禅の修行と密接に関わり、謙虚さや落ち着きなど内面的な成長を促す茶道の鍛錬が、今日のビジネスパーソンにも示唆を与えることを説いている。

著者は茶禅の代表取締役、国際伝統文化協会理事長。日本IBMを退社後、茶禅を創設し銀座と浅草に茶室を開設。年間世界30カ国の人々に日本の伝統文化を教えるとともに、各国首相やVIPを相手に多数のお茶会を実施している。

1.外国人が知りたい日本の文化・世界が憧れる日本のおもてなし
2.なぜエリートは茶道の虜になるのか
3.これだけは知っておきたい日本の伝統文化「茶道」
4.ビジネスや日常に活かしたい千利休の七つの教え(利休七則)
5.知っていると一目置かれる、日本人としての品格
6.知っていると自信が持てるお茶会の作法
楽しむための知識

茶道の精神を表した「和敬静寂」

茶道の精神は、「和敬清寂」という4文字の中に凝縮されています。これは、「茶を点てる主人と客がお互いの心を和らげて、つつしみ敬い、お茶室や茶道具だけでなく心をも清浄な状態に保ち、こだわりのない境地に達することこそが茶道の精神ですよ」という意味を表しています。

それぞれ一文字ずつの意味をみていきましょう。「和」は和合、調和。聖徳太子の「和をもって貴しと為す」という言葉がありますが、全ての人、もの、ことを尊重し、お互いに心を開き思いやり、和(仲良く)することが大切なことですよという意味です。お茶を共にする人たちの「和」を生みだすのが茶道の目的の1つでもあります。

「敬」は尊敬、敬意。自らを謙虚に慎み、他者を敬い、人にも、ものにも礼を尽くし、大切に丁寧に扱うことです。「実るほど頭のさがる稲穂かな」という言葉がありますが、茶人であり経営の神様といわれた松下幸之助は、どんなに立派になられた後でも、人と会った時には、自ら先に名刺を出し、「松下幸之助でございます」と腰低く挨拶をされたそうです。これこそ、茶道の「敬」の心であり、かけがえのない人として、謙虚に相手を敬う心があってこそ、相手からも敬愛されるのだと思います。