仕事の視野を広げるには読書が一番だ。書籍のハイライトを3000字で紹介するサービス「SERENDIP」から、プレジデントオンライン向けの特選記事を紹介しよう。今回取り上げるのは『修羅場のケーススタディ』(PHPビジネス新書)――。
ラップトップを抱えて助けを求めるビジネスマン
写真=iStock.com/BrianAJackson
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30の修羅場を想定したケーススタディ集

企業で仕事をする中で、ほとんどトラブルに遭遇しないという人は極めて稀だろう。大多数のビジネスパーソンは、大なり小なりの“修羅場”を経験しながら、業務をこなしているはずだ。

とりわけ中間管理職(ミドルリーダー)は、「上と下との板挟み」になるなど、判断や行動に悩む場面に出くわしがちだ。

本書は、「とうてい達成不可能な、とんでもない目標を課された」「不祥事を隠蔽するよう迫られた」といった、主にミドルリーダーが決断や処理を迫られる30の「修羅場」を具体的に想定し、それぞれにおいてどのように考え、立ち回ればいいのかをアドバイスするケーススタディ集。

ミドルリーダーがさまざまな危機的な場面で間違った決断やアクションをしないためには、常に「長期的・継続的に事業を成長させるにはどうすべきか」という視点で考える、「自分が仕事において一番大事にしているものは何か」という軸を持っておくことなどが大切だという。

著者は経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)マネージングディレクター。ベンチャー企業経営の後、日本NCR、タワーズペリン、ADLにおいて事業戦略策定や経営管理体制の構築等の案件に従事。著書に『ダークサイド・スキル』(日本経済新聞出版)などがある。

序.誰もが「修羅場」を避けられない時代がやってきた
1.対上司・対経営者……人間関係の「修羅場」を切り抜ける
2.ミドルリーダーが陥る「チームの修羅場」
3.あなたの人生を左右する「キャリアの修羅場」
4.リストラ、不正、顧客トラブル……ある日突然起こる様々な「修羅場」

達成不可能な売上目標が上乗せされたらどうするか

“期末まで残り2カ月。我が部門の売上目標は大幅未達が確実。ただ、そもそもこの目標は上から押しつけられた、実態と大きくかけ離れたもの。しかし、そんな言い訳は通るわけもなく、上からは「ギリギリまで数字を詰めろ」とのお達しが。

ただ、現場は疲弊しきっている。目先の数字に追われることで、次の期にも悪影響が出ることは必至だ。このままでは部門の存続も危ぶまれる……。”

自分たちで決めた目標に対し、経営陣や本社から「これでは足りない」と言われる。そして各部門に何億ずつという、とうてい達成不可能な売上目標が上乗せされる。これは「空箱を積む」と呼ばれ、日本企業でよく見られるケースです。