被告は微動だにせず、落ち着いた様子でこれを聞き、10時10分に閉廷した。

執行猶予付き有罪判決とはいえ、弁護側にとっては窃盗罪の無罪主張が退けられた格好となる。閉廷後に法廷から出て来た男性弁護人と原田被告に控訴の意志を尋ねようとするも、ともに無言で階段を駆け下り、追いかける報道陣に対して反応することなく、 そのまま建物の外へ。早足で裁判所敷地を出て、隣接している弁護士会館に姿を消した。

コロナ拡散…迷惑系ユーチューバーだった過去を反省も

原田被告はこの一連の事件で世を騒がせただけではない。昨年の逮捕後、新型コロナウイルスに感染していることが判明し、一般市民だけでなく行政や医療機関をも混乱の渦に巻き込んだ。

逮捕直前の同年7月10~11日に地元である山口県を訪れ、11日、岡崎市での魚の切り身窃盗容疑で逮捕。身柄を愛知県警岡崎署に移されたのち、13日に37度台の熱が出て、15日に愛知県岡崎市の保健所が感染を確認した。翌日には、彼と接触のあった警察官も感染が明らかになる。さらに原田被告は山口県で錦帯橋や防府天満宮などの観光地のほか商業施設など様々なスポットにノーマスクで立ち寄っていたことも判明。居場所や行き先をSNSで知らせ、これに応じて集まった者たちと10日夜には山口市内の飲食店で会食。参加していた学生も感染が判明したうえ、同店にたまたま居合わせ別の友人と会食していた女性も感染した。

山口県の村岡嗣政知事は、こうした原田被告の山口行脚による感染者発生をうけて後日会見を開き、被告の行動経路をパネルで示しながら「いったい何てことをしてくれたんだという思い」と憤る様子を見せた。県には「男性が行ったところを訪れたが大丈夫か」といった相談が約780件寄せられたほか、接触者に対するPCR検査など対応に追われることとなった。

生まれ育った山口県に対して大きな迷惑をかけた原田被告は、これまでの公判で「誰もしていない企画で再生数が稼げると思った。犯罪ギリギリの内容だと自覚して投稿した」と説明。かつては迷惑系ユーチューバーとして多い月で200万円を稼いでいたというが、このときは時給1000円で週5日働き、休日は祖父の介護や庭仕事をしていると述べていた。