執行猶予期間中の心構えについて釘を刺す裁判官にへずまは…

弁護側は威力業務妨害や信用毀損について争いはなかったが、窃盗罪についてのみ「切り身は食べたが精算を行う意思はあった」と無罪を主張しており「食べてからわずか2分で精算しようとした」、「切り身は生食用ではない。味わいたいわけではなかった。口腔内に切り身を押し込む行為は毀棄にあたる」などと述べていた。

しかし、裁判所は「被害店舗は商品を売るために陳列しており、客は自由に商品を選んで代金を支払うが、被告人は支払う前に食べている。被害店舗は商品をどんな形であれ金銭に換えられればいいと考えているわけではない。食べることと支払いの行為が前後しただけというだけではなく、所有者の権利を侵害している」として、窃盗罪の無罪主張を退けた。

原田被告は2018年2月に建造物侵入により執行猶予付きの判決を受けており、そのうえで一連の事件を起こしている。検察側は7月19日の論告求刑公判で「刑事責任は重く、矯正教育が必要」と刑事施設での矯正の必要性を訴えていた。

しかし裁判所は「再生数のための犯行で酌量の余地はない」と威力業務妨害と信用毀損については厳しく断じながらも、「窃盗の被害額が軽微」であることや「窃盗の動画を公開して耳目を集めたが、行為そのものは弁償までが一連の行動としてある」こと、さらに「信用毀損の被害者との間で150万円の示談が成立しており、うち128万円は既に支払いを終えている」「家族や雇用主の監督が期待できる」ことなどから「今回に限り懲役刑を猶予する」とした。訴訟費用は被告人の負担となり、現在の私選弁護人の前に弁護を担当し、被告が解任した国選弁護人にかかる費用も、原田被告が支払うこととなる。

言い渡しを終え、裁判官は原田被告に改めて、執行猶予期間中の生活の心構えについて釘を刺した。

「更生するための期間ですから、あなた自身更生するよう意識して生活してください。今回、保護観察がついています。定期的な面接の約束を破ると執行猶予が取り消される可能性もあります。保護観察はそれだけ重い約束です」