富裕層はどんな車を好むのか。東京の高級住宅街を通過する「外苑西通り」を10年間毎日走り続けている金融アナリストの高橋克英さんは「外苑西通りを走る車には、欧州の高級SUVが多い。その理由は富裕層の特徴から読み解ける」という――。
東京タワーの見える風景
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都内随一の“セレブ通り”

東京都港区の白金台交差点から、東京オリンピック2020の開会式が開催された新国立競技場の真横を通り、新宿区の富久町西交差点まで続く約6.8kmは通称「外苑西通り」と呼ばれている。

外苑西通りは、環状4号線として、1964年の東京オリンピック前に整備された。白金台、広尾、西麻布、南青山、神宮前、千駄ヶ谷といった、都内屈指のセレブタウンやおしゃれスポットを貫いている。

特に、外苑西通りの起点である白金台交差点から銀杏並木が続く坂は、「プラチナ通り」と呼ばれ、「シロガネーゼ」が行き交うカフェやレストランにブティックなどが立ち並んでいる。

高級外車ディーラーが並ぶさまは壮観

その先の明治通りと交差する天現寺橋交差点から六本木通りと交差する西麻布交差点までは、慶應義塾幼稚舎、聖心インターナショナルスクール、広尾ガーデンヒルズ、有栖川公園、ドイツやフランスなどの大使館、カフェやレストランなどが、周囲に点在しており、軽井沢に本店がある「ブレッド&タパス沢村 広尾」の前には、早朝から美味しい珈琲とパンを求めて高級外車が連なっている。SKYグループが運営する、ブガッティを筆頭に、マクラーレン、ランボルギーニ、アストンマーチンにマセラティといった正規輸入車ディーラーのショールームが居並ぶ通りはまさに壮観だ。

さらに北上して、青山通りと交差する南青山三丁目交差点から新国立競技場前にかけての区間は、コシノジュンコ氏が名付け親とされる「青山キラー通り」となる。旧ベルコモンズ跡に建ちPlan・Do・Seeが手掛けるスタイリッシュな青山グランドホテル、高級サービスアパートメントのオークウッドレジデンス青山、ビクタースタジオ、インテリアなどのショップが並び、国内屈指の売上台数とされるジャガー・ランドローバー青山のショールームもこの通り沿いにある。