食糧飢餓問題において私たちができること

前述したように、今はまさに飽食の時代。飢餓というのは遠い国の話と捉えがちだが、社会の一般的なレベルに追いつこうと、食以外の環境を優先した結果、さらに深刻化しがちなのが先進国の飢餓問題だ。このため本人が自身を相対的貧困層だと自覚していない場合もあり、適切な支援が受けられなかったり、徐々に体調不良に陥ったりするという問題も起きているのだそう。

木製テーブルの上の食べ物と新鮮な食材
写真=iStock.com/Sergii Gnatiuk
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では、私たちに何かできることはあるのだろうか? いちばん身近なのは、NPOやNGO団体を通じて援助をすること。ありがたいことに、貧困層を助ける活動をしている団体は数多くあるので、そこを通じて困っている人たちを支援することができる。

団体によっては直接お金で支援できるところもあれば、未開封・消費期限内の食品を募っているところに食べ物を持ち込むフードバンク型、また、子どもたちに食事をふるまう子ども食堂などもある。団体に所属しなくともサポートできるところが多いので、ぜひ一度はトライしてみたいところだ。

「もうお腹いっぱい」「おいしくない」「余っちゃった」……そういって私たちが日々捨てている食べ物は、どこかの誰かが食べたくても食べられなかったかもしれない大切ないのちの糧。食品ロスをなくすことと同様に、身近な飢餓問題についても真剣に考える必要がありそうだ。

乙部 アン(おとべ・あん)
フリーエディター/執筆家

新ファッションウェブマガジン「LIV,」女性ファッション誌のフリーエディターをしながら執筆家としても活動、いくつかの連載を掛け持ちする。アメブロやnoteなどのブログでは、大人の女性に役立つファッション・仕事・サステナブル・ライフスタイル・独自の人生哲学を発信。