仕事の視野を広げるには読書が一番だ。書籍のハイライトを3000字で紹介するサービス「SERENDIP」から、プレジデントオンライン向けの特選記事を紹介しよう。今回取り上げるのは『マンション管理員オロオロ日記』(フォレスト出版)だ——。

マンション管理員は、毎日何をしているのか

南野苑生『マンション管理員オロオロ日記』(フォレスト出版)
南野苑生『マンション管理員オロオロ日記』(フォレスト出版)

ある程度の規模の分譲マンションには、たいていエントランス付近に事務所があり、「管理員」が常駐している。管理員の多くは定年後の高齢者であり、夫婦で住み込みのケースも珍しくない。

それゆえ、昼夜を問わず住民のあらゆる要望に応えるのが仕事だと思われがちだが、その実情はどのようなものなのだろうか。

本書では、マンション管理員として13年のキャリアを持つ著者が、その役割と立場、実際の業務、そして住民からのクレーム処理など、さまざまなエピソードを紹介している。

マンション管理員は24時間対応の「何でも屋」ではなく、その勤務時間や業務、責任の範囲は、雇用契約や管理規則で定められている。それでも、住民からは理不尽なものも含む苦情や要望が山のように持ち込まれるようだ。それらや、駐輪場に正しく自転車を停めないなどの規則違反への管理員の対応からは「人を動かすコツ」を学ぶこともできるだろう。

著者は1948年生まれ。広告代理店に勤務の後、独立して広告プランニング会社を設立するも、経営に行き詰まり、59歳の時に妻とともに住み込みのマンション管理員となる。なお、本書に登場する施設名や人名はすべて仮名である。

目次
まえがき マンション管理員は、なぜ年輩者ばかりなのか?
1.管理員室、本日もクレームあり
2.嫌いな理事長、大嫌いなフロントマン
3.住民には聞かれたくない話
4.マンション管理員の用心と覚悟
あとがき 最後の住み込み管理員

13年前に、夫婦でマンション管理員になった

私は今から13年ほど前に、家内とともにマンション管理員になった。現在、住み込みで勤めている分譲マンション「泉州レジデンス」は3つ目の赴任先である。

「泉州レジデンス」の戸数はざっと140戸。私の勤務時間は、午前9時から午後5時まで。月曜から金曜日までで、土日は休みの週休2日制である。ただし、副管理員という立場の家内は午前中のみの勤務で、あとは同様だ。

朝9時の少し前に管理員室を開ける。そのころ清掃員さんが出勤するので、清掃チェックリストと清掃員室のカギを渡す。12時前に清掃員さんが帰るので、チェックリストとカギを受け取り、管理員室を閉めて昼食に入る。13時前まで食事休憩し、13時5分前に管理員室を開け、午後5時まで窓口での受付業務となる。

窓口にいれば、来客用駐車場にクルマを停めたい外来者、工事業者などに一時駐車許可証を発行したり、住民からのクレーム対応などがあり、理事会の議事録の作成や文字校正、できあがった議事録を印刷し、全戸に配布したり、といった業務もある。