小腹が空くと、なぜ甘いものに手が伸びてしまうのか。生活習慣病・循環器系のエキスパートである池谷敏郎医師は「糖質をとると、脳が快感を得てしまう。糖質の依存性は麻薬よりも強いという研究結果もある。小腹が空いたらまず水を飲むのがいい」という――。(第1回/全2回)

※本稿は、池谷敏郎『代謝がすべて やせる・老いない・免疫力を上げる』(角川新書)の一部を再編集したものです。

ケーキ
写真=iStock.com/Milatas
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ニコチン中毒と仕組みは同じ

「小腹が空くとつい甘いものに手が伸びてしまう」
「ちょっと空腹を感じると何かをお腹に入れなければ落ち着かない――」

そんな人がいると思いますが、そういうときにこそ、ぜひ体を動かしてほしいと思います。

そもそも、小腹が空くといつも甘いものを食べてしまうのは、「糖質中毒」かもしれません。というのは、糖質は、タバコのニコチンと同じように依存性が強いのです。

喫煙者は、体内でニコチンが切れると、すぐにタバコをほしがりますよね。そうした反応がなぜ起こるのかと言うと、タバコを吸うとニコチンが脳の前頭葉のあたりにある「報酬系」という回路をダイレクトに刺激し、「ドーパミン」という神経伝達物質が放出されます。

そうすると、脳は快感を得られるので、そのうちにニコチンが切れてくるとイライラするようになり、すぐにタバコを吸いたくなってくるのです。

じつはこれと同じような反応が糖質でも起こるのです。糖質をとると、脳が快感を得てしまうのです。糖質の依存性は麻薬よりも強いという研究結果さえあるほどです。