効率がよくなっただけではありません。じつは最近、オーナーさんたちとリモート夕食会や昼食会をやっています。何回もお会いしているオーナーさんに「明日どう?」と声をかけたりして、かなりフランクな会です。リモート食事会がいいのは、エリアを問わないところ。エリア会だとオーナーさんはそのエリアの方だけになりますが、リモートだと北海道の方もいれば九州の方もいる。いま起きていることをダイレクトに共有できるのはすばらしい。

リモートが活きるのは「現場感」を共有してこそ

リモートでも、話し方は同じです。身振り手振りが大きいからリモート向きだと言われますが、普段からこんな感じです。私は大阪生まれ大阪育ち。これを言うと叱られそうですが、自分から積極的にアピールしないと生きていけないところなので、自然にアクションが大きくなったのかなと(笑)。

リモートの活用は今も続けています。ただ、私たちの仕事はリアルの商売。現場でないと気づかないこともあるので、現場に行かなくなることは絶対にありません。

緊急事態宣言中のゴールデンウィーク、ジムに行けないので、運動も兼ねて自分の足で歩いて店舗を回りました。実際に街に出てみたら、本当に人がいなかった。もちろん情報としては知っていましたが、自分の目で見ると恐怖を感じるほどでした。おそらくオーナーさんや店長さんは、街から人が消えていくのを見て同じように恐怖を感じていたはずです。その感覚を私も肌で感じたから、リモートでもオーナーさんの話をリアルに理解することができました。リモートが活きるのも、現場で同じものを共有してこそです。

義務感でやると伝わってしまう

リモートでもリアルでも、コミュニケーションでは自分の思いを伝えることが大事です。2020年4月1日、約1万4500店舗全店に向けて、「まずは感染防止第一。私たちが必ず支えますから、安心してください」とビデオメッセージを出しました。メッセージは20年5月半ばまで毎週送り続けました。内容は毎回ほぼ同じです。しかし、繰り返し伝えないとまた不安が大きくなっていくし、私自身、みなさんに伝えたいという思いが強かった。

「お正月だから新年のメッセージを出す」というように、スケジュールありきで発信するのは違うと思います。義務感でやると、それが伝わってしまう。今回も、毎週出そうとしていたわけではありません。思いは、伝えたいと思ったタイミングで発信するのが一番響く。今回はそれが毎週続いただけです。

もう1つ、明るく元気に伝えることも意識しています。何かマイナスのことがあっても、ネガティブに伝えるのではなく、「次はこうしようぜ」とポジティブに伝えます。怖い顔で伝えると、失敗はいけないことだと思われて挑戦しなくなってしまいますからね。