人に伝わるように「言葉」を磨く

【生き方篇】

▼「仕事にも人生にも法則がある。その法則にのっとった人間は成功し外れた人間は失敗する」
▼人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
▼「仕事で大成功を収め、地位や名声、財産を獲得したとします。人はそれを見て、『なんと素晴らしい人生だろう』とうらやむことでしょう。ところが実は、それさえも天が与えた厳しい『試練』なのです。成功した結果、地位に驕り、名声に酔い、財に溺れ、努力を怠るようになっていくのか、それとも成功を糧に、さらに気高い目標を掲げ、謙虚に努力を重ねていくのかによって、その後の人生は天と地ほどに変わってしまうのです。つまり、天は成功という『試練』を人に与えることによって、その人を試しているのです」
正しい考え方が、精神の静謐を保つ

【精神篇】

▼「動機善なりや、私心なかりしか」
▼「なんまん、なんまん、ありがとう」
▼「俗世間に生き、さまざまな苦楽を味わい、幸不幸の波に洗われながらも、やがて息絶えるその日まで、倦まず弛まず一生懸命生きていく。そのプロセスそのものを磨き砂として、おのれの人間性を高め、精神を修養し、この世にやって来たときよりも高い次元の魂をもってこの世を去っていく。私はこのことよりほかに、人間が生きる目的はないと思うのです」
どんな立場の人にも通じる経営指針

【実践篇】

▼「ベクトルを合わせろ」
▼「渦の中心になれ」
▼「値決めは経営だ。値決めの中に経営者の才覚があらわれる」
▼「製品の語りかける声に耳を澄ませ」
▼「『私たちは今後どうなりますんや』と部下に聞かれたら『我々はこうなるんだ』と間髪入れずに答えられるようでなければ経営者失格である」
稲盛和夫(いなもり・かずお)
1932年、鹿児島県生まれ。59年に京都セラミック(現京セラ)を設立。97年から名誉会長。また84年第二電電(現KDDI)を設立し、同会長に就任。2001年に同最高顧問。10年には日本航空会長に就任。15年同名誉顧問。私財を投じ、稲盛財団や国際賞「京都賞」を設立。経営塾「盛和塾」の塾長を務めた。
(構成=山口雅之 撮影=若杉憲司 写真=毎日新聞、読売新聞、AFLO)
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