まだ記憶に新しい全国的なマスク不足。あれがもう一度起こるのか? 今から何か備えは必要なのか? そもそもなぜ足りなくなったのか?
新型ウイルス肺炎が世界に拡大 日本各地でマスク売り切れ=2020年2月17日
写真=アフロ
新型ウイルス肺炎が世界に拡大 日本各地でマスク売り切れ=2020年2月17日

今は一般向けマスクが「少なくとも数千万枚余っている」状態

「6月に入っても、倉庫に120万枚も余ってしまっていて……ようやく60万枚まで減らしました」

そう言って苦笑するのは、中国からショッピングサイトなどで雑貨類を販売する貿易商社の中国人営業部長だ。新型コロナウイルスの感染拡大で爆発的に需要が増え、一時は一般向けの使い捨てサージカルマスクが10枚入りで3000円近く、単価300円弱にまで暴騰した。

ところが、7月に入った今はあの喧噪はどこへやら。一般向けマスクの末端価格は、「10万枚から50万枚購入するなら単価は12円、1万枚から10万枚なら14円か15円、10枚入り1箱か2箱なら17円から18円」(同)。一時は早朝から行列ができていた大手ドラッグストアも、今や「単価10円を切らないと買ってくれない状態」(別の交易業者)である。

マスクが普通にスーパーなど店頭に並ぶようになって、一般ユーザーにとってはひと安心。「私個人で把握しているだけでも、現在は数千万枚余っている状態」(医療コンサルタント)だが、コロナ禍が完全に終わったわけではない。今、しきりに言われているのは「第2波」の到来だ。3月、4月のパニックめいた状況が、また繰り返されるのだろうか。国外でも南北アメリカをはじめとして、感染者数でいえば増加の一途。需要は衰えてはいない。