先生とは私が「眉」時代からのお付き合いなのでもう50年近いのです。もっとも「眉」にいるときの先生は、そのときから女性たちにモテモテで、下っ端の私が席に着こうとしたものなら、「あんたなんかあっちへ行ってなさい!」と先輩ホステスさんたちからお叱りを受けるので、あまりかかわりはありませんでした。
しかし、ザボンを開いてから数年すると、石ノ森章太郎先生(1998年没)と一緒に来てくださるようになり、いまでは大切な常連様のおひとりです。
新型コロナウイルスも、必ずゴルゴが戦ってくれる
2018年9月、川崎市市民ミュージアムで「ゴルゴ13」の連載50周年記念特別展が開かれました。会場へ行くとゴルゴの画がたくさん飾ってあり、その迫力に圧倒され、見とれてしまったのです。そこで、「ビッグコミック」(小学館)の編集者さんに、「あの画をザボンに貸してほしいと伝えてほしい」と言ってみたのです。すると、「そんなこと言えるわけないでしょう!」と一蹴されたものですから、「もう自分で言っちゃお」と、先生にお願いしてみると、なんと原画のコピーを5枚も貸してくださったのです。それからというもの、ゴルゴの画を見せたいといって接待でザボンを使ってくださる方が増えました。
ゴルゴは何回見てもいい男です。いつも私はゴルゴに見つめられ、心がドキッとするとともに、励まされる。ゴルゴはザボンの福の神です。「ゴルゴ13」を読むと、医療、環境、宇宙など先端科学の分野について実に豊富な情報を吸収することができます。今回の新型コロナウイルスについても、必ずやなんらかの形でゴルゴが人類のために戦ってくれるのだと、私は信じているのです。