2学期制の中で長期休暇のバランス見直しを

冷静に考えて9月入学のメリットが1つあるとすれば、長い夏休みが学習の妨げにならなくなるということだろう。

日本の大学の多くは前期が4月から始まって9月まで、後期が10月から次の年の3月までという2学期制を採っているが、勉強のサイクルとしては最悪。4月に立ち上がったばかりの学期が1カ月半の夏休みによって腰砕けになってしまうからだ。

ようやく勉強の調子が上がってきたところで夏休みモードに入って、長い夏休みが終わるとすっかりたるんでしまう。やはり教育には多少の緊張感が必要だ。

入学時期が9月になれば、長い夏休みで勉強が腰砕けになることはない。もっとも、そのために9月入学にする必要はなくて、夏休みも冬休みも1カ月にしてバランスを取ればいいことだと私は思う。

そういえば9月入学の議論で、ビートたけしが「4月入学と9月入学、年2回の入学にすればいい」と折衷案を提唱していた。面白い発想だが、4月入学組は学期が5カ月、9月入学組は学期が7カ月になってしまう。学校経営をしている立場からすると、このアンバランスはカリキュラムを組んだり、入試などさまざまな事務手続きをするうえで非常に具合が悪い。

入学時期を春秋の年2回にするなら、4月入学と10月入学にしたほうがバランスはいい。ちなみに、05年から文科省の認可を取ってやっている我々のBBT大学・大学院は4月入学と10月入学の2期制。好きなときに入ってくればいい。サイバー教育だから夏休みは関係ない。実際の4月入学と10月入学の割合は6:4というところだ。

BBTと提携してMBAコースを提供しているオーストラリアのボンド大学は2月、6月、10月と年3回入学のタイミングを用意している。3カ月単位で集中的に勉強して4カ月目に試験。このスケジュールなら頑張れば1年でMBAに必要な単位が修得でき、授業料を大幅に倹約することができる。

コロナ禍で学びの機会を失った子どもたちをリセットして再出発させる手立てとして、9月入学を使うのは絶対にやめたほうがいい。6月に入って学校は再開されたのだから、夏休みを短縮したり、休日を活用すればキャッチアップは十分に可能。どさくさ紛れや絵空事の議論ではなく、グローバル時代に相応しい教育システムをいかに再構築すべきか、国民的な議論を深めてほしい。

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(構成=小川 剛 写真=時事通信フォト)