早慶を踏み台にする人、される人

「あなたはいい大学に入ればいいの」

そう、母親に言われ頑張って入った早慶。なのに、生活は相変わらず苦しい。なぜだろう。世の中の早慶のイメージと今の自分があまりにもかけ離れている……。

たしかに、早慶の卒業生は輝かしく見える。帝国データバンク2019年6月時点の調べによると、上場企業社長の出身大学は慶應が264人で最も多く、次いで早稲田が187人と、東大の175人を凌駕する。政界では、早稲田は野田佳彦、森喜朗、小渕恵三など7人、慶應は小泉純一郎、橋本龍太郎など4人の総理大臣を輩出。私大ではトップ2だ。

ソーシャル接続ネットワークの背景
写真=iStock.com/dem10
※写真はイメージです

しかし、そのエリートコースは卒業生に約束されたものではない。自らレールから外れる人もいれば、思わぬ形で辛い人生を歩むはめになってしまった人もいる。

本稿では、普段注目される早慶の表の部分ではなく、裏の部分にスポットライトをあてる。日本を裏で操る三田会とは一体何なのか。どうして同じ大学なのに、学部によって格差が生まれるのか。海外になぜ早慶の高校があるのか。なぜ、早慶なのに苦しむ人たちがいるのか。彼らは、一体誰の踏み台にされたのだろうか。