――コンサル業界だと特に東大や京大がほとんどで、早慶でも人数が少ない印象がありますが実際はいかがですか?
【コンサル】うちもそうですが、競合のコンサル会社も筆記試験の後でケース面接などを5~6回繰り返すことで、ペーパー試験ではわからない地頭のよさを見ています。そうするとどうしても東大・京大や早慶の学生が多くなってしまいます。ただ最近はコンサル業界の認知度が上がってきたので、地方の旧帝大などの学生からの応募が増えていて、内定者の大学もばらける傾向にあります。
SNS時代に編み出された採用新手法
――最近は就活生向けの掲示板サイトやツイッターでの情報交換が盛んになっているので採用する側の手間が増えていそうですが、何か新しい方法を始めたりしているんですか?
【IT】うちは最近、内定した学生からの紹介で選考に進む「リファラル制度」をつくりました。
――社員のリファラル採用はスタートアップ企業などではよく聞きますが、内定者からは珍しいですね。
【IT】活躍している社員のプロファイルデータを分析してみると出身大学やコミュニティ内での友人の数や付き合い方、スキルの習熟度などで類似の傾向が見られたので導入しました。紹介で受けた学生はその後の選考もスムーズに進むケースが多いのでこれからも増えていきそうです。
【メーカー】うちの会社では、3年前からダイレクトリクルーティングを始めました。欲しい人材の要件に合わせて直接アプローチできるので効率は上がっていますね。特にスポーツ分野のビジネスも手掛けているので体育会出身者を選ぶのには適していたなと思っています。
強大な権力を持つ“リクルーター課長”
【金融】体育会系の話でいくと、うちは出身大学別にリクルーター担当課長がいて、その人が体育会出身だと同じ部の出身者は優遇されることがよくあります。
――リクルーター担当課長って、なんですか?
【金融】学生に会って面談をするリクルーターとして、社員が1000人くらい駆り出されるんですが、その取りまとめ役として部署は関係なく大学ごとにリクルーター担当課長がその大学の出身の先輩から任命されます。その課長をトップに採用の方針が決められ、同じ大学出身のリクルーターたちは動くことになります。
――そんなに権限強いんですか?
【金融】絶大です(笑)。たとえば早稲田から10人採用するとして、まずリクルーターたちが数百人のなかから選んできた20~30人。そこからリクルーター担当課長が会っていって最後の10人を選ぶんです。
――すごい権限ですね。その過程で体育会系の優遇もあるんですか?