私は日々の情報収集をとても大切にしています。毎日、日本、アメリカ、ヨーロッパのニュース番組をチェックします。国内外の動向や経済を効率よく、網羅的に押さえる私なりのルーティンです。情報収集はテレビだけでなく、オンラインでも。ツイッターのトレンドや、インスタグラムを日本語と英語でチェックします。この中で、面白かったことや気になった数字、社名などを紙にメモしています。

メモを取るときは、基本的に英語か日本語です。会議など、ビジネスの場では特に英語で取ることが多いですね。英語だと速く書けるし、何をメモしたのか周りの人に知られにくいので、セキュリティ的な観点から自然とそうしています。

手書きのメモにこだわる理由

私がメモを取る目的は3つあります。1つ目は、人から見聞きしたり自分の中から湧いてきたりしたアイデアを忘れないようにするため。2つ目は、ファクトを客観的にサポートするデータを、仕事関係者に説得・交渉などをするときに使うため。ここでいうデータは、経営者という立場上、ニュース番組や記事から得られるような、マクロ的な数字が多いです。3つ目は、自分へのリマインダーに活用するため。自分のやるべきことを書いておくのです。

メイ社長のメモを分析

手書きのいいところは、情報が頭に残りやすくなること。会議では、売り上げや利益が一覧できるエクセル資料を使いますが、その数字でさえいったん自分で書き写します。エクセルで閲覧できるので、あえて手書きする必要はないともいえますが、手で書くことで大事な数字が頭に入ってきます。

もともと、私はメモをよく取るほうでした。自分が万能な人間ではないとわかっていますし、プロ経営者として今の会社に招かれ、結果を出すことが期待されているのも自覚しています。私は転職のたびに新商品・サービスのアイデアなどを100項目以上メモします。新日本プロレスに入社してからも、当時書いたメモの内容を一つひとつ実行に移している最中です。

さて、私は手書きのメモが多いと言いましたが、デジタルメモをまったく使わないというわけではありません。私にとってデジタルメモは「付箋」のようなもの。あくまでも補助的な役割で、用事が済めばすぐに消去します。

iPadに依頼内容を記録する

部下一人ひとりに対して頼むことは、iPadのメモアプリに箇条書きにして管理し、実行された事柄は都度消していきます。ちなみにiPadメモへの書き込みもタッチペンを使っての手書きです。

デジタルメモといえば、今は会議にPCを持ち込んでメモを取る人も多いようですが、私はしません。会議に集中できず、整った文章で入力することに注力してしまうからです。会議に参加しても、メモを取ることが目的になるのは本末転倒。アイデアを出し合い、みんなで議論して、決定する目的が達成されなくなってしまいます。私は会議中、PCを自分の近くに置いておくとしても、あくまで資料を参照するためだけに使っています。

(構成=池田園子 撮影=南方 篤)
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