抽象的な書き方では伝わらない
ひとつは「一から十まで丁寧に説明する」ということ。特にツイッターでは、含みを持った書き方、抽象的な書き方では伝わらないことが多いんですよね。140文字という制限はありますが、そのなかでいかに的確な言語表現を選んでいくかがポイントになります。日本語は英語よりもひとつのセンテンスが短く、文字数制限のあるツイッターに向いているといわれています。僕は漢字とひらがなを使い分けて文字数を確保するように心がけており、またそのほうが読みやすいという利点もある。
あとは、ひとつの文章のなかで対立構造をつくっておくのもポイントです。「誰が敵なのか/誰に味方しているのか」という自分の立場を明確にしておけば、共感してくれる人だけではなく反対する人もツイートを拡散してくれるんです。もちろん対立を煽るわけではないですが、どんな意見でも賛否両論あるのが自然なことだと思うので。自分のスタンスをハッキリさせたうえで、敵と味方が断罪し合うのではなく、平和的な見直しができるようなツイートを心がけています。もし自分の文章が伝わらなかった場合や批判を受けた場合でも、「こういう立場の人には、こういう表現では伝わらないんだ」というデータを集めることができます。
もうひとつ重要なのは、ものごとを多角的に考えること。特に、さまざまな読み手の立場を想像することが大切です。例えば「自分の足で歩いていこう」という内容の文章を書くときには、「もし足に障がいのある人が読んだらどう思うだろう」と想定しておく。人によって育った環境や価値観は違うので、さまざまな角度からものを考えて「誰が読んでもこれなら伝わる」と思えたものを書けば、自ずと多くの人に伝わる文章になるはずです。
(構成=山本大樹)