人生において、やりたいことの方向性がはっきりしてくる

やりたいことがない人には、まずは金曜の夜から月曜の朝までフルに使って、電車旅をすることをおすすめします。それによって、自分にとりついた「負の感情」が全部落ちていきます。すると、自分がどんなことに対して楽しいと思うかとか、何に心がときめくかとかが、全部むき出しに表れてきます。人生において、やりたいことの方向性がはっきりしてくるんですよね。

見えてきた「やりたいこと」を、旅先で書き出してみましょう。ヨットでも、クラブのDJでも、英会話でもなんでもいい。それがサードプレースのネタになるんです。それをひたすら、1人でやってみてください。

例えば僕も、最初の会社で「服役」していた23歳のときに、社外で社会人交流クラブを運営していました。学生時代の男友達を25人集めて、南麻布に「男の隠れ家サロン」をつくったんです。いわゆる大都会のセカンドシェアハウスです。マンションを借りて、そこをサロンにしたのです。さらに都内各所でイベントを300回以上やり、全盛期には500人以上のメンバーに膨れ上がりました。自分の感覚と近い人しか集めなかったので、パラダイスでしたよ。

そんな活動を続けると、ますます会社が自分に合わないことがはっきりするわけです。遅かれ早かれ「ここにいちゃいけない」という踏ん切りがついていくわけですね。このように、自分の心の軸がつくれることが、サードプレース創出の大きなメリットです。軸ができれば、邪魔する人と平常心で戦うことができます。サードプレースを守るために、強くいられます。「いい人」には守るものがないから、「いい人」になってしまうんですよ。

かつての僕のように、社員を「いい人」にしてしまう会社で働いている人がいたら、きっかり定時で帰って、サードプレースの活動に人生の8割くらいの気持ちをつぎ込んでいいんです。会社の人たちに対しては、透明な心のシャッターを下ろす。感情を全部殺す。そうすれば嫌なことを言われても何とも思いません。

時間が経つのをひたすら待って、仕事が終わった後、本当のあなたの人生を謳歌しましょう。

また今は副業が当たり前の時代です。副業をあなたのサードプレースとして、本当に好きな仕事を見つけてもいいと思います。会社員としてベースの給料をもらいながら、副業として好きな仕事をライフワークにすれば、それがいつか本業になるかもしれません。たとえ本業にならなくても自分が輝く軸を持てます。

あるアンケートによると、「人が死ぬときに一番後悔すること」という質問の回答は「やりたいことをやらなかった」が一番多いのだそうです。「やらなかったほうがよかった」という声はほとんどありません。やりたいことをできないのは、まさに「自分を押し殺しているいい人」の特徴です。

世の中にはまだまだ「いい人」が多い。早く自分の軸をつくって「いい人」を脱却することが、人生を輝かせるカギになります。

(構成=万亀すぱえ 写真=PIXTA)
【関連記事】
日本人特有の雨ニモマケズ軍隊通勤では労働生産性は上がらない
なぜか「いつも誰かに助けてもらえる人」に共通する3つの行動
未曾有の"コロナ大不況"突入で「あなたはリストラされる」
冷静、博識、几帳面…なぜか嫌われてしまう人の9つの特徴
コロナショックで真っ先に失業するのが若者である理由