決算発表後の20年6月は要注意だ

日経平均の下値を探る方法として、「PBR(株価純資産倍率)」「フィボナッチ数」などがあります。PBRとは、純資産から見た株価が割安かどうかを判断する指標になります。フィボナッチ数は下降相場などで一時的な戻りの目標価格を判断する際に使用する指標です。リーマンショック時の「PBR」「フィボナッチ数」の数値を参考にしながら判断すると、夏までに新型コロナウイルスが終息した場合、下値メドは1万5000円あたりになるでしょう。

夏までにコロナウイルスが終息した場合、日経平均の下値メドは1万5000円あたりに。
夏までにコロナウイルスが終息した場合、日経平均の下値メドは1万5000円あたりに。(時事通信フォト=写真)

また、新型コロナウイルスの影響が反映された20年3月末決算企業の発表は、ゴールデンウイーク明けから20年5月15日頃がピークになります。各社の業績は当然、芳しくない、または、減損損失の計上見込みなどの企業も多いことが予想され、株価は20年6月に下落し、2番底となる可能性があります。投資家が市場に抱く不安の程度を示しているといわれるVIX指数(恐怖指数)は、経済に対する強い危機感が広まる時期に高騰します。

このVIX指数がリーマンショックのあった08年10月の89.53に並ぶ、82.69を記録しています。リーマンショック以上ともいわれる現状に政府がどんな手を打つのか。アメリカでは20年3月25日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、総額2兆ドル(約220兆円)規模の経済対策で合意。財政支出の規模はGDP(米国内総生産)の約10%に達し、リーマンショック時の総額約8000億ドルの経済対策を上回ります。

一方、日本も消費が冷え込んでしまいリセッション(景気後退)に入らないための財政政策に注目が集まります。20年3月14日に安倍晋三首相は以下のように発言しています。

「一気呵成にこれまでにない発想で思い切った措置を講じてまいります」

この言葉に期待したいです。

(撮影=横溝浩孝 写真=時事通信フォト)
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