集団免疫を持たない限り終息はない

十分な集団免疫を持たない限り新型コロナウイルスが終息することはない。一度封じ込めたとしても、パンデミックである限り世界のどこからでも国内に入り込み、再流行する可能性がある。封じ込めに成功した中国やシンガポール、香港なども第2波、第3波の流行を警戒している。必要があれば、再度の都市封鎖も検討しなければならない。

十分な集団免疫を獲得するにはワクチンあるいは自然感染で人口の70%程度が感染して抗体を持つ必要がある。ワクチンは既にいくつかの候補が臨床試験へと進んでいるが、実用化には最低でも18カ月以上かかると考えられる。また、アフリカなどの開発途上国への蔓延の可能性、そして、自然感染による集団免疫の獲得にも数年かかると考えられるために、新型コロナウイルスの終息には相当の時間がかかる。仮に今年の冬に世界で再流行し、来年春まで感染が拡大していれば、東京五輪の中止の可能性もありうる。

英国では初期対応の遅れを取り戻すべく、社会的隔離、そして、都市封鎖と立て続けに強力な施策を行っている。日本では3月24日には五輪延期が決定。その直後、東京をはじめとした大都市における感染者数の急増に伴い、3月25日夜には小池都知事が「感染爆発の重大局面」と言及。26日には政府の専門家会議が「まん延のおそれが高い」とする報告書を了承した。いよいよ日本でも感染フェーズが変わったことが示された。

その後、緊急事態宣言をするかどうかで東京都と官邸の間に方針の違いが露呈しているようだ。日本は強制力のある大胆な施策が取れないで問題を先延ばしにしているようにも見える。しかし、英国のここ2週間の出来事は、今回のコロナウイルスの恐ろしさと迅速かつ大胆な対応の必要性を十分に伝えている。日本も今こそ対応を急ぐ時だ。

オリジナルサイトで読む
文春オンライン