まだ持っていたほうがいいコレクションとは

書籍や雑誌の類は、保存状態のよい希少本や全集ものならともかく、ほとんどは値がつきません。陶磁器も江戸時代以前の名品か、高名な作家の作品以外は同様です。遺品整理では着物が多く出るのですが、今は需要が少ないので、購入時の50万円、100万円が数万円まで下がることもあると聞きます。一方、昨今の日本刀ブームから、刀剣類は買い取り需要が高まってもいます。

コレクションとは少し違いますが、非常に珍しいものが出ることも。海軍中将の名が墨書された日章旗など、戦時中の物品を遺品として弊社で扱ったこともあります。市場性の有無はともかく、文化・歴史的な価値があると思われるものもあります。そうした古物の査定は、遺品整理業者や不用品回収業者では難しく、専門家に依頼して調べてもらうことになります。

ことほどさように、コレクションの需要は変動します。言い換えれば、今は評価が低くても、いずれ評価が高まる時期が訪れるかもしれません。ですから弊社では、今は買い取り値がつかなくても、保存状態がよく、保管が可能であれば、そのまま持っておいてはとお勧めすることもよくあります。

遺品整理は、遺族にとっては大変な作業です。特に別居していた一人暮らしの親が亡くなった場合など、整理に手をつけたものの途中でくじけ、業者に依頼する例が少なくありません。しかし、業者に任せっきりにしたり、言いなりになるのは避けたいものです。

故人の生前の趣味や大切にしていたものは、遺族ならわかるはず。どう扱うかをあらかじめ業者とよく打ち合わせておくとよいと思います。

(構成=高橋盛男、池垣 完 撮影=荻原浩人)
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