浮気調査の最前線に立つ探偵がいる。総合探偵社MR代表の岡田真弓氏は「依頼の77%は不倫調査です。探偵は毎日思いがけないドラマに遭遇します。ある男性は不倫相手から多額の保険金をかけられていました」という――。

※本稿は、岡田真弓『探偵の現場』(角川新書)の一部を再編集したものです。

自宅に自分たちの問題について主張している積極的なカップル
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急浮上した「夫の不倫疑惑」

依頼者は女性お笑いタレントに似た、40代のふくよかな人妻・セツコさん。夫と結婚して10年あまり、可愛い子供に恵まれて絵に描いたような幸せな家庭を築くことができ、自分でも良妻賢母と言われるように努めてきたという。

これ以上望むものはもう何もないと思っていた矢先、思いがけず、夫の不倫疑惑が浮上した。夫がお風呂に入っている間に何気なく携帯を見たところ、LINEで女性からのラブラブなメッセージが届いていたのである。

「ホテルのレストランで食事し、部屋で激しく愛し合ってとても満足した……というメッセージが送られていました。私は信じられず、ただただショックで、その夜は気分が悪いと言って、寝込んでしまいました。私は毎日、一円でも節約して家計も切り詰めていて、豪華な食事など夫が連れて行ってくれたこともありません。それなのに夫は……。これまで築き上げた幸せが音を立てて崩れ落ちていきました」

と、セツコさんは目を伏せた。優しい夫と結婚して、子育てにまい進する毎日は、依頼者が憧れてきた理想の家庭像だったのであろう。不倫調査を行うことに、当初、セツコさんは「妻としてふさわしい行動か否か」とかなり躊躇していたという。