日本の女性達は、日本の社会の中では、力が弱く、まだ男性と同等な競争をしている状態までには至っていないかもしれません。しかし、それだからこそ「失うものは何もないのだから、腹をくくってやってみよう」的な思い切りの良さを生み出すのです。考えてみると、海外に暮らす日本人の多くは、駐在員の男性ビジネスマンが多く、一方で外国人と結婚し、子供を生み、育てて、海外の地に日本人のDNAを埋め込んでいくのはいつも女性です。そうした女性をたくさん見てきて思うのは、外国という地で大変そうに見える生活を、大胆かつ繊細に笑顔で暮らしているということです。女性はか弱いのではなくむしろたくましい。

鈴木涼子「ANIKORA-SEIFUKU 08」(2007年)
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鈴木涼子「ANIKORA-SEIFUKU 08」(2007年)

澤田さん、鈴木さんは現在30代のアーティストで、海外の国際展に参加するようになった日本人アーティストの第三世代と呼べる存在です。おそらくこれから登場する第四世代のアーティストはもっともっと自由に表現をしていくことでしょう。その時に本当の意味での国際化が完成するはずです。その時期が確実に近づいています。

私事で恐縮ですが、今、海外の美術館のブックショップでは私の書いた「Warriors of Art」が売られています。ニューヨークにもパリにもロンドンにもあったと、メールで知らせてくれる人がいます。日本人が英語で書き、出版された日本の現代アートを紹介する本は、長い間ありませんでした。私は思い込みと突進力で生きているような人間なので、「どうしても素晴らしい日本人アーティストを海外に紹介したい」という一念でこの本を作りました。失うものは何もないから、腹をくくってやってみたものです。ここにも女性の小さな力の一例を見ていただければ幸いです。