文在寅、「日韓関係修復」への“意欲”と“危険”……チョ・グク妻逮捕で流れは変わった(牧野 愛博/週刊文春 2019年11月7日号)

韓国の曹国(チョ・グク)前法相の妻、チョン・ギョンシム東洋大教授が10月24日未明、業務妨害などの疑いで逮捕された。チョン教授には、長女の入試不正や不正な金融投資、証拠隠滅など計11件の疑いがかけられており、夫の曹国氏に対する事情聴取も近く行われる見通しだ。

一連の動きは韓国の政局や日韓関係にどのような影響をもたらすだろうか。

約41%まで支持率が下落 ©共同通信社

まず、文在寅大統領が曹国氏を法相に起用した最大の理由とされた、韓国検察の改革は予定通り、実施されるだろう。韓国政府は15日の閣議で、検察特捜部の縮小を目玉とする機構改革を決めた。検察も被疑者の人権を守るルール作りを進めている。いずれも、曹国氏の法相辞任への道筋をつけるため、急ぎ決定されたものだ。

検察改革は保革双方が求めていた政治課題だった。韓国大統領府の元高官は「韓国は現代でも、統治にnaked power(むき出しの権力)を使う」と語る。その象徴が、過去の軍部や情報機関であり、現在の検察だった。検察改革の急先鋒だった曹国氏ですら、検察を統率する大統領府民情首席秘書官時代、情報保護を名目に国家公務員の携帯電話を丸ごと検閲して、周囲から恨まれた。

次に文在寅政権の政治運営には、変化の兆しが見え始めている。