都内を中心に展開していたステーキ店「ケネディ」は、2017年に全店舗を一斉閉店し、破産した。ステーキはここ数年、大流行している。なぜ経営に失敗したのか。その背景には「ステーキ半額券」の存在があった――。

※本稿は、帝国データバンク 情報部『倒産の前兆』(SB新書)の一部を再編集したものです。

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「40店舗展開」からの一斉閉店と破産

都内を中心にステーキハウス「KENNEDY(ケネディ)」を展開していた、ステーキレストラン経営の「ステークス」。一時は、店舗数が40店舗にまで拡大するが、「あること」を境に、急激に業績が低迷し、全店舗の一斉閉店を経た末に破産を申し立てることになる。近年のステーキブームは、同社にとっても追い風だったはずが、同業他社が攻勢を強める中で、同社がはからずもとってしまった失策とは何だったのか。

ステークスは、この社名よりも、店舗展開していたステーキハウス「KENNEDY」といったほうが一般的に認知度は高いだろう。レストラン経営のノウハウを持つ創業者と、長男が中心となって店舗を運営し、翌1999年には、「Cafe感覚で気軽にごちそう」をコンセプトに、2号店となる「ステーキKENNEDY駒沢店」をオープン。

2002年にステークスとして法人化し、2004年12月期には年売上高約3億9000万円を計上した。2005年から2年間は店舗運営を子会社ナカジに移し、ステークスは備品の仕入れ販売、店舗不動産の転貸などを担った。