風俗店やダフ屋、性犯罪を取り締まる「風俗警察」。一体どんな取り締まりを行っているのか。警視庁の風俗警察、生活安全部・生活安全特別捜査隊(生特隊)の活動を紹介する――。(後編、全2回)

※本稿は、今井良『風俗警察』(角川新書)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/xavierarnau
※写真はイメージです

ホームレスを10人以上雇ってダフ屋行為

「誰に雇われてるんだ?」

生特隊の捜査員が呼び止めたのは60代くらいの男性だ。詳しく聞いてみると路上で生活している、いわゆるホームレスの男だった。同意を得て身体捜検を行うと5万円ほどとコンサートのチケットを所持していた。

2017年9月、宝塚歌劇などの入場券を転売目的で購入したとして、生特隊は26日までに、東京都や埼玉県の迷惑防止条例違反(ダフ屋行為)容疑で、無職の男(56歳)ら男女計5人を逮捕した。他に逮捕されたのは男と同居する母親(83歳)と、ホームレスの男性3人だった。

生特隊によると、男とその母親は逮捕された3人を含むホームレス十数人に1人当たり日当約7000円を支払い、チケット発売の1日から2日前から店に並ばせて購入。正規価格の最大約17倍で転売していた。

男は2009年4月から、インターネットのチケット販売サイトに登録していて、このサイトを通じて転売を繰り返し、合計約1900万円を得ていたとみられる。

5人の逮捕容疑は、2017年2月26日から4月29日にかけて東京都渋谷区道玄坂のチケット販売店など4カ所で10回にわたり、転売目的で宝塚歌劇の入場券など計52枚を計33万4000円で購入した疑いだった。

「おっぱい触り放題です」女子高生を書類送検

2018年1月。夕方の渋谷駅ハチ公前に人だかりができていた。

「おっぱい触りたい放題です」

こうバニーガール姿で訴える女性の周りに人が集まっていたのだった。男女入り乱れているが、皆一様に女性の胸に触れている。渋谷駅前交番で立番していた渋谷警察署地域課巡査部長は遠目からながら異変に気付いた。

「渋谷駅前PB、〇〇PMから渋谷PS。現在ハチ公前で多数蝟集(いしゅう)者あり、公然わいせつ等の可能性あり、直ちに現場に向かいます」警察官は肩に備えられた無線機で本署のリモコン(無線指令室)に、こう告げると相勤員を伴い、走って人だかりに向かった。

投稿用の動画を撮影するため、東京・渋谷のハチ公前広場で「フリーおっぱい」と書かれたスケッチブックを掲げ、通行人に胸を触らせたとして、警視庁生活安全特別捜査隊は2018年3月12日、東京都迷惑防止条例違反(卑わいな言動)の疑いで、私立高校1年の女子生徒(16歳)を書類送検した。以下の条例違反にあたったのである。

1、わいせつな見せ物、物品若しくは行為又はこれらを仮装したものの観覧、販売又は提供について、客引きをし、又は人に呼び掛け、若しくはビラその他の文書図画を配布し、若しくは提示して客を誘引すること