ヤフオクで“競り合い”を楽しむ男性たち

一方、利用者数で、メルカリとほぼ同数(1800万人前後)の人気を誇る「ヤフオク!(以下、ヤフオク)」は、正確にはフリマアプリというより「オークション(競売)サイト」。

16年6月以降は、メルカリと同じく「即決(早い者勝ち)」を選べる機能が追加されたほか、19年秋からは、新たにスタートするフリマアプリ「PayPay(ペイペイ)フリマ」において、やはりヤフオクで出品されている商品の購入(一部)が可能になる予定です。

田中道昭、牛窪恵(著)『なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか? アマゾンに勝つ!日本企業のすごいマーケティング』(光文社新書)

とはいえヤフオクの基本は、あくまでも「競売」。古くからのヤフオクユーザーの男性を取材すると、往々にして次のような声が返ってきます。

「ヤフオクの醍醐味は、競り合い。なかなか手に入らない『(マニアックな)お宝系』のモノほど、制限時間ギリギリに高値をつけてライバルに勝つ快感が大きい。それを即決で買っちゃったら、楽しみが半減しますよ」

これに対して、先のメルカリは「癒やし系」。実際にもヤフオクより女性ユーザーのほうが多い、とのデータが複数あるほか(17年:ニールセンデジタルほか)、若い女性にナマの声を聞いても、多いのは次のような声。

「ヤフオクは、(競争する)相手との駆け引きがイヤ。人間不信になりそう」
「でもメルカリは、『あなたのほうが先に質問していらしたので、私は諦めます』『どうぞどうぞ』みたいな譲り合いに、ホッと癒やされる」……。

男女の感じ方の違いはどこからくるか

メルカリとヤフオクのサービスに、なぜ男女でこうした「感じ方の違い」が表れるのでしょう?

大きな理由の一つは、いわゆる「対話・共感」好きな「女脳」と、狩り由来の「競争」本能をもつ「男脳」にあるとも言われます。だからこそ、マーケティングでは「STP分析」、すなわち「セグメンテーション(S)」「ターゲティング(T)」「ポジショニング(P)」で、対象となるターゲット等を十分見極めることが重要だとされるのです。

詳しくは、8月21日発売の拙著(『なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?』(光文社/共著))に書かせていただきました。よろしければぜひご一読ください!

牛窪 恵(うしくぼ・めぐみ)

1968年東京生まれ。マーケティング会社インフィニティ代表取締役。立教大学大学院にて、修士(経営管理学/MBA)取得。同志社大学・ビッグデータ解析研究会メンバー。財務省・財政制度等審議会専門委員、内閣府・経済財政諮問会議 政策コメンテーター。著書に『男が知らない「おひとりさま」マーケット』『独身王子に聞け!』(ともに日本経済新聞出版社)、『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』(講談社)、『恋愛しない若者たち』(ディスカヴァー21)などがある。