ニューヨークの5番街にあるトランプタワーに住むには、高級車が毎月買えるほどの家賃が必要だ。しかも唯一の日本人だったアケミ・S・ミラーさんによると「お金があるだけでは住めない」という。マイケル・ジャクソンも住んでいた超高級マンションでの暮らしぶりを紹介しよう――。(第2回、全5回)
歌手のマイケル・ジャクソンさん、イギリス・ロンドンにて(写真=AFP/時事)

お金があるだけでは入れない超高級タワマン

高級ブランド店や超高層ビルがひしめくマンハッタン5番街に位置するトランプタワーは、ドナルド・トランプが建てた高さ202メートルの高層ビル。居住部には世界中のセレブが暮らし、1階には高級ブランドのグッチがテナントとして入っています。「不動産王」としてアメリカ中に不動産を持つトランプ氏ですが、ここは80年代に建設された建物の中で彼の代表作ともいうべきビルで、彼自身もその最上階の68階に住んでいました。

なぜ私がそんなところに住もうと思ったかといいますと、のちに夫となるボーイフレンドの夢が、トランプタワーに住むことだったため。何とか彼を喜ばせようとして彼には内緒で内見に行きました。

トランプタワーは入居審査がとても厳しく、ただお金があるというだけでは住めない超高級アパートメントです。まず職業を審査されます。住人はビル・ゲイツ、スティーブン・スピルバーグ、ソフィア・ローレン、マイケル・ジャクソン、ジャネット・ジャクソン、サラ・ブライトマン、アラブ諸国の王子など錚々(そうそう)たるメンバーですから。

今までのバックグラウンドも、全て調べ上げられます。私の場合だと具体的には、ニューヨークコレクションに出ていることとか、会社の規模、現在の家やアトリエの住所、事故や事件を起こしていないかなどですね。

もちろんファイナンシャルの保証は必須条件で、毎月の収入やプライベートバンクに3億円以上の預金が必要だと聞きました。部屋によって違いますが、家賃は高級車が毎月買えるくらいの値段でしたからね。

住所を書いただけで「Oh my God!」

そんな厳しい審査をくぐり抜けて、晴れて私たちが入居した60階の部屋は、文字通りの“雲の上”の場所。窓の外を見ると、鳥や飛行機が下を飛んでいるようなダイナミックな光景が広がっていました。ミッドタウンなのに、海を挟んで自由の女神が見えるんですよ。

トランプタワーの居住部分は35階から68階ですが、上から3フロアの66階から68階はトランプ氏のフロアです。つまり住人は35階から65階に住んでいるわけですが、ワンフロアに6世帯ほどが入居しています。マイケル・ジャクソンのように、ワンフロア全てを借りている人もいましたけれどね。

私がトランプタワーに住んでいると知ると、みんな呆気にとられていましたよ。例えば、家具を購入しに行ったとき。配達先の住所を725と書くだけで「Oh my God!」と血相を変え、「あなた、すばらしい所にお住まいですね!」って言うんです。ビルディングナンバーでトランプタワーだと分かるのです。その迫真ぶりが最初は怖いくらいだった(笑)

トランプタワーがある5番街って、日本でいえば銀座4丁目のど真ん中という感じですから、住むという場所ではないのです。究極の住まいですね。