振り幅大きい派▼時間節約のために

コンビニ弁当を食べ、ヘリコプター移動

康代さんは、ヨーロッパに拠点を置く50代。海外公共投資や美容関連事業の経営などで大富豪となった。普段は現地のセレブたちと交流し、大切な友人とクルーザーに乗って感動的な景色を見に行くのが、何よりも心の栄養になるという。節約する必要は全くなさそうだが、心がけているのが「時間」の節約だ。

「“時は金なり”が行動の基本。日本に帰ると、食事の時間がないほど忙しいときもあります。仕事にグッと集中するため、コンビニ弁当で済ませることも少なくないです。また、ヨーロッパではヘリコプターをレンタルして、移動時間を短縮することも。電車や飛行機より高くつきますが、節約した時間でほかのことができると思えば、もったいないとは思いません」とは、大富豪ならでは。

捻出した時間は、新たな挑戦に費やせる。結果、それがお金を生むチャンスにもなる。「最近フランス語の学校にも通い始めました。英語はもちろんフランス語もセレブの会話に必要な言語。彼らとより密なコミュニケーションをとることができれば、新しい仕事の案件につながることもあるでしょう。何歳になっても、可能性を模索したいのです」

▼午堂ポイント
大富豪ほど時間の管理が上手です。即断即決型が多く、メールの返信、仕事の決断も速い。数分でも無駄にしません。徹底したタイムマネジメントスキルで仕事の集中力が高まり、良いパフォーマンスが生まれるのです。
趣味につぎ込む派▼いいワインを楽しむために

旅先ではモーテルに宿泊することも

料理研究家として活躍する知恵さんは40代の既婚者。普段はバリバリ仕事して、休暇には国内外を旅するという充実した毎日を送る。旅に出るたびに夫婦で各国のワインを堪能。今ではワインを個人輸入して、セミナーを開けるほどになった。

「先日はオーストラリアのワイナリー巡りを楽しんできました。そこで高価なワインを楽しむために、モーテルに泊まって宿泊費を節約。また、別の旅で豪華なリゾートホテルに宿泊したときは、飛行機をLCCにして、出費を抑えました。マイレージがたまったときだけビジネスクラスに乗ります」。

旅行代金の優先順位は食事なのか、ホテルなのか、毎回夫婦で話し合う。

出費の優先順位は住宅にも表れている。人が集まる家にしたくて、美しい海が一望できる高台に、広々としたリビングとテラスを備えた豪邸を建てた。

「遊びに来た友人に『建物に比べて、インテリアがチープだね』と言われてしまうぐらい(苦笑)、高級家具には興味がないんです。収納には300円均一や100円均一で購入したプラスチックケースを使っていますが、機能的にはこれで十分」と本人は納得の様子だ。

友人が家に集まって、手作りのおもてなし料理と自分で選んだとっておきのワインを楽しんでくれるひとときが、一番楽しい。それが、次の旅のモチベーションになる。

▼午堂ポイント
趣味と実益を兼ねている、典型的な例。ワインセミナーが開催できるほどに知識を集積できたのはすごい。たとえ趣味でも、中途半端なレベルでなく人に教えられるほど徹底的に追求するのがミリオネアの特徴です。
午堂登紀雄(ごどう・ときお)
エデュビジョン代表取締役
1971年、岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業。外資系コンサルティング会社でIT、情報通信等の経営戦略立案、企画変革プロジェクトに従事。現在、不動産投資コンサルティング、ビジネスマッチング等を手がける。近著に『1億稼ぐ子どもの育て方』(主婦の友社)。

イラスト=イフクカズヒコ